「軋む社会 教育・仕事・若者の現在」 本田由紀


《目標より大事なもの。》


僕はこのブログで本をたくさん紹介していきますが、本を読んでアナタの人生戦略に役立ててもらいたいと思っています。


ところで、人生戦略を考える上で一番重要なことはなんだと思いますか?


それは、自分の現在地を知ることです。


例えば、富士山に登頂することが目標だとします。


その目標ができたら、登頂するために必要なものを調べますよね?


道具はもちろん、体力や登山スキルも必要になります。


ですがそれよりも前に知るべき重要なものが自分の現在地なのです。


今、自分がどこにいるのか?を知らなかったら富士山に登るどころか富士山に行き着くことすらできませんよね。


理想や目標といったゴールを設定することは悪いことではありませんが、そればかりを気にして現在地を知ろうとしない人が多い気がします。


それではいつまで経ってもゴールに辿り着くことはできません。


僕と同じ20代、そしてそれより下の学生といった若い世代は知識と経験がありません。


これはしょうがないことです。


なので、人生戦略や現在地といってもまともに考えることができないと思います。


だから、本を読むことで知識が増え世界が広がることで薄っすらと何となくですが見えてくることができます。


そして、知識が増えれば自然と自分の現在地も明確になってくるのです。


そんな現在地が詳しく書かれているのがこちらの本。


本田由紀著・「軋む社会 教育・仕事・若者の現在」



《遅れ続ける日本の教育》


まず、現在地を知る上で僕たちは何を教え込まれてきたのか?を知らなければいけません。


言い換えれば、何を刷り込まれてきたのか?を知らなければいけません。


つまり、まず知るべきことは社会に出る前の学校教育でどんな思考を創られてきたのか?です。


では、僕たちが受けた学校教育はどのようなものでしょうか?


先進国ほど専門性が高い職業教育の比重が大きいはずなのに、


実は、日本は未だに普通教育重視という発展途上国的な教育をしているのです。


確かに、さまざまなことを広く勉強できることは良いことだとは思います。


ですが、それは学生が広く勉強をしたいという気があって初めてプラスに変わること。


一概には言えませんが、僕は日本の学生が広く勉強をする気があるようには思えません。


社会に出でも役に立たない・どう役に立つかも知らない勉強ばかりを受けている。


じゃあ何のために勉強をしているのかといったら良い成績を取るために・受験に勝つために勉強するため。


そんな姿勢で専門的な知識やスキルを学ばず、たいして勉強しないで社会に出たら、ほとんどの若者が苦労するに決まっていますよね。

《答え合わせ教育の思考》


それになんと言っても日本の教育は答え合わせ教育です。


最初から存在する答えをどう探し当てるのか?の教育です。


成績が良い人=答えを探し当てることが上手い人です。


ただ、この答え合わせ教育を受けた多くの人たちは与えられたものが絶対だと信じてしまいます。


だって、その絶対が答えなんだから。


つまり、答え合わせ教育を受け続けると、


・答えはどこかにある
・与えられたものは絶対正しい

と洗脳されてしまいます。



答え合わせ教育を受けた多くの日本人はこの思想を作られています。


そして、この思想が現在地と考えることができます。



《教育と社会のギャップに苦しむ若者》


でも、ちょっとまってください。


人生に答えがあるのでしょうか?
正解がどこかに存在しているのでしょうか?
絶対正しいことなんてあるのでしょうか?


ないですよね。そう、ないんです。


最初から答えなんて存在するわけが無く自分で考えて創らなければいけないのです。


そこのギャップに日本の教育を受けて社会に出た若者は苦しみます。


自分で答えを創るなんて考えたこともないから思考停止になり、仕事でミスをし自分を責めて職場から去っていく。


そして、自分の人生とは一体何なのか?生きる意味は何か?

いわゆる自分探し状態になり悶々とする。


そんな若者は多いと思います。



《やりがいを搾取される若者》


自分探し状態になった若者は、カルト性の高い職場やコミュニティの餌食になりやすいです。


若者を受け入れて、夢や理想を掲げてテンションを上らせ気持ちよく生活をさせる。


ただ、それは現実を見させないようにと巧みに作られたやりがいの搾取です。


傍から見たら低賃金長時間労働をさせるための口実とわかるのに本人はそれに気が付かない。


ハッキリ言って、やりがいを搾取されている若者が語るやりたいことや夢ほど非現実的なものはないですよね。

《アップデートし続ける。》


答え合わせ教育を受けた結果、


教育と社会のギャップに苦しみ生きる理由を探し


最悪の場合、やりがいを搾取されてしまう。


これが今の日本の教育、社会、若者の現状・現在地です。


では、この現在地からどう道を切り拓いてけるのか?


それは、アップデートし続けるしかありません。


思考を。器を。


経験を積み、知識を増やし、


どんどん壊し、どんどん新しくしていくことです。


それができなければ良い方向に行くことは難しいでしょう。


残酷で虚しく感じるかもしれませんが、現在地を知るためには・人生戦略を考えるには必読の一冊です。


本田由紀著・「軋む社会 教育・仕事・若者の現在」