「群衆心理」 ギュスターヴ・ル・ボン


アナタは群れていませんか?
無意識に何も見えない状態にされていませんか?

《無意識的に支配される群衆。》


一つ前に投稿した「群れるな」では、群れることの危険性を僕なりの解釈で説明しました。


では僕の解釈ではなく、群れて群衆の一部になった結果、実際の心理状態はどうなるのでしょうか?


それは、


全てが歪んでみえてしまいます。

もっとハッキリ言えば、何も見えなくなってしまうのです。


たとえば群れることで生まれる心理特性として、


・衝動的
・興奮しやすい
・推理力がなくなる
・判断力がなくなる
・批判精神が欠ける
・感情を誇張する


といったことが挙げられます。


これだけでも充分群れること・群衆の一部になることの危険性がわかると思いますが、なにより注目すべき点は、


群れると無意識的に支配されてしまうという点です。


では、なぜ群れるだけで何も見えなくなるのか?
なぜマイナスな特性が生まれるのか?
そもそもなぜ人は群れるのか?



それを知るにはこちらの本をオススメします。

「群衆心理」 ギュスターヴ・ル・ボン



《あの独裁者・ヒトラーの愛読本》


1895年に出版されたこの本は当時の心理学に大きな影響を与え、


あの独裁者ヒトラーが愛読したとも言われています。


心理学系の古典書ではありますが、


インターネットが発達し様々なSNSが生まれている現代を生きる人間にとって必読の本です。


なぜなら、ここ数年でオンラインサロン等の「コミュニティ」が流行っていますよね?


前回書いたとおり、コミュニティに入ることはメリットもたくさんありますが、デメリットも当然あります。


その大きなデメリットの一つが、


何も現実が変わらないタダの「群れ」が生まれてしまう可能性が高いということです。


つまり、現代は「コミュニティ」がたくさんあり多様な生き方・楽しみ方ができる時代ではありますが、


その分、「群れ」もたくさんできてしまう可能性があるのです。

だから、「群れ」の心理を知ることが非常に重要になってくるのです。

《個性がなくなる群れ。》


上述したように、群れることでさまざまな心理特性がうまれます。


それはハッキリ言えばデメリットな部分しかありません。


著者は、

群衆は知能の点で単独の人間より常に劣り、
群衆の観察はあらゆる観察の中で最も誤っている。


とまで言い切ります。

なぜ、そこまでいい切れるのでしょうか?

それは、


群衆の一部になると、個性が消え、思考や行動が感染するからです。



まず、個人が群衆の一部になっただけで一種の集団精神が与えられます。


この集団精神によって、個人の感じ方・考え方・行動がどんどん変わってきてしまうのです。


そして、結果的にアナタの個性が消えてしまうのです。


繰り返しますが、


ただ単純に、群衆の一部になった「だけ」でです。


一人のときならば冷静に思考や行動ができていたところ、責任のない群衆の一部になる「だけ」で、無責任で迷惑を考えない行動に走るのです。


わかりやすい例えが、渋谷ハロウィンの若者です。


毎年ハロウィンの時期になると、渋谷に集まり・騒ぎ・ゴミを撒き散らす若者がニュースになりますよね?


彼らだって、ハロウィン以外の日常ではあそこまで騒ぎません。


「渋谷ハロウィンの若者」という群衆では、騒ぐ・ゴミを撒き散らす・迷惑を考えないという思想がどこかにあるので、


その一部になった人間はその思想にあった行動をとってしまうのです。



《感染する群れ。》


群衆の一部になっただけで個性が消えてしまう。


これはつまり、


群れは感染力が非常にあるということです。


それは、思考・行動すべてにおいてです。


ではなぜ感染力があるかというと、群衆の一部になることで暗示を受けやすい性質に変わってしまうからです。


個性が消え、意志や思考力もなくなると脳がマヒしてしまい、カンタンに催眠術師に操られるような状態になってしまうのです。


そんな状態の人間がたくさんいれば、一つ暗示をしただけで多くの人が作用しあって強烈なものになるのです。


だから、暗示しやすい人がいる群衆は感染力が強力なのです。


群衆の一部になる→個性が消える→脳がマヒする→暗示しやすくなる→感染力が強くなる


という流れに入ってしまうので、


群衆の一部になった人間は、自分の意志をもたない操り人形とも言えます。



《群衆をつくる、仕掛ける側の人間》


それ以外にも群衆の心理状態はたくさんありますが、つづきは本を読んでください。


では、どうして群衆はつくられるのでしょうか?


一言でいえば、仕掛ける側の人間がいるから群衆はつくられるのです。


そしてその仕掛ける側の人間は、群衆の心理や本能をキチンと知っているので、それに訴えるように活動しているのです。



たとえば上述したように、群衆は思考判断力が無いので、その情報がウソなのか?ホントなのか?判別できません。


つまり、群衆は真実らしくない情報もカンタンに信じるのです。

そして、この真実らしくない情報が最も人の心を打つものなのです。


そのことを知っている人間は、


真実らしくないものでも単純で大雑把に示し、群衆の想像力を刺激して心を動かすように仕掛けているのです。



《悪用厳禁!仕掛ける側の手法》


では、具体的にどのようなことを仕掛ける側の人間はしているのでしょうか?


それが、


断言・反復・感染です。



断言は、証拠や論証を伴わず簡潔なものであればあるほどますます威力を持ちます。(真実らしくない情報を単純で大雑把に示す理由はここにあります。)


ただこの断言は、絶えず、しかもできるだけ同じ言葉で繰り返さないと影響力を持てません。


そこで反復です。


何度も何度も反復することで人々の頭の中に固定され、あたかも論証済みのようにインプットされてしまうのです。


そしてそれが多くの人の頭の中にインプットされてしまうと感染していくのです。


この3つの手法は群を率いるトップがよくやっていることなので注視してみるといいでしょう。


わかりやすい例が今年話題になったN国の政見放送です。


この本を読んでN国の政見放送を観ればなるほどなと思うはず。
(繰り返されている「NHKをぶっ壊す」「不倫」「路上」「カーセックス」あたりはそのワード。)


そして、断言・反復に対抗できるものは別の断言・反復です。

論理的な説明やインテリな反論では絶対に勝てません。


なぜなら、群衆はわかりやすいものを信じるからです。

《群れたら終わり》


この本を読めば、群れたら終わりだと感じることができます。


ですが、僕みたいな凡人はそもそも群れやすい。


最初に書いたとおり、コミュニティが流行っているので時代的にも群れやすいです。


本の中では、

次に来る時代は群衆の時代だ。


と書いてありまさにその通りになっています。


時代にも自分にも負けず群れないためには、


この本を読んだりして群れることのデメリットを知ることです。


そうすれば物事の見方が変わり、絶対群れないような強い意志を持てます。


群衆の時代に孤独を感じて戦える人間はとても強いのです。


ぜひ、この本を読んで群れることのデメリットを知り強くなってください!

「群衆心理」 ギュスターヴ・ル・ボン