「服従の心理」 スタンレー・ミルグラム


《人間を知る》


僕は、「人間を知る」ことは生きる上でかなり重要なことだと思っています。


”人は〇〇な状況になった時に、〇〇な行動を取る。それは〇〇な理由だから。”


といった人間の行動心理を知っておけば、


どんな状況でも冷静に客観的に自分を見れるようになるからです。



例えば、


逆境に陥りピンチになった時、人は焦り不安になります。


そうなるとマトモな判断ができなくなり悪い方向に進む選択を選んでしまいます。


これは全く逆の状況でも同じことが言えます。


チャンスが巡ってきて調子が上向いた時、人は陽気で楽観的になります。


そうなるとやはりマトモな判断ができなくなり足元をすくわれ一気に天国から地獄に叩き落されるのです。




・焦ってミスをする。そしてさらに焦りミスが重なる。

・思い通りにコトが運んでいたのにある日突然予測がハズレ続ける。


アナタもこのような経験をしたことがありませんか?


その原因は「人間を知らない」からです。


「人間を知らない」と、いつまでたっても負のスパイラルからは抜け出せないし、天国から地獄へ堕ちてしまうかもしれません。


そんな「人間を知る」手がかりになるのがこちらの本。

スタンレー・ミルグラム著・「服従の心理」



《人類史上、最も物議を醸したミルグラム実験》


この本で書かれているものは、人類史上、もっとも物議を醸したといってもいえる心理学実験の結果です。


それは、人は権威に対してどのような行動をとるのか?を検証したミルグラム実験と言います。


実験内容・実験結果については以下の通りです。




「記憶実験の参加者求む」と広告を出しあらゆる職業・幅広い年齢の被験者が集められ、

実験者、被験者、被害者(実験者)で実験が行われる。


【三人の役割】


・被験者…被害者が記憶テストの答えを間違えればボルト数を読み上げ電流を流す。間違えるごとに電流の強度があがる。実験者と同じ部屋にいる。


・被害者…この実験のサクラであるためワザと間違え、電流に対して痛がる演技をする。被害者だけ部屋は隔離されている。


・実験者…被験者が実験を止めたくなっても「うながし」で継続するように応答する。


【電気ショック発生機】


被験者が使用する電気ショック発生機には15から450ボルトまでのボルト数が書かれている30個のスイッチがある。


さらにそれを4つずつまとめる形で、


軽い電撃、中位の電撃、強い電撃、強烈な電撃、激烈な電撃、超激烈な電撃、危険・過激な電撃と分類されており、


最後の区分以降は、「☓☓☓」と書かれている。


当然実験なので、本当に電流は流れない。

図であらわすとこうなります。
(E・実験者、T・被験者、L・被害者)



《実験結果》


この実験では、


嫌になるほど常に善良な人々は、権威の要求に屈して、冷酷にそして激烈な行為を実施することが観察されました。


そう。人は目の前の人が苦痛を受けようが、権威に屈してしまうのです。


被害者がどんなに痛がろうが、実験の中止を訴えようが、反応がなくなろうが、多くの被験者は電流を流しました。


もちろん、被験者はなにも考えないわけではありません。


この実験は問題ないのか?被害者の命は大丈夫なのか?自分は殺人に加担しているんじゃないのか?と葛藤します。


ですが、実験者の「うながし」で実験を続けてしまうのです。


中でも「責任は私が取る」という「うながし」は効果が絶大でした。


このことから、


人は自分の意志より責任を取る権威の言うことに従う傾向があるとわかります。


つまり、人は責任をなすりつけることができれば非道な行いをするということ。

《アナタはどうですか?》


これは実験なのでわかりやすく露わになりましたが、アナタはどうですか?


何かを決める際、アナタの判断で決めていますか?なにかの権威によって決めていないですか?


おそらく、個人の日常生活で取る行動・下す決断もなにかの権威によって動機づけされている可能性は高いです。


会社、学校、家庭、コミュニティ、社会。


どこに行ってもヒエラルキーは存在していますからね。


正直、僕みたいな凡人はそこからは抜け出せないでしょう。


ですが、権威によって決断をするということは何も自分で考えていないということ。


そして、失敗したり上手くいかなかったら権威のせいにすればいいと自然と保険を掛けているのです。


人は、自分の人生なのに責任を取りたくないから権威にしたがうのです。



《自分の意志を持つには?》


どこにいってもヒエラルキーが存在し、権威に影響を受けてしまうなら僕たちは自分の意志をもてないのでしょうか?


僕はまったくそうは思わなく、意志の持ち方がキチンとあると思っています。


では、自分の意志を持つにはどうしたらいいのか?


それは、繰り返しになりますが「人間を知る」ことです。


ミルグラム実験の結果のように信じがたい、良くない傾向だとしても「人間を知る」ことは重要なのです。


人間を知れば、今自分は何に影響を受けて思考し行動しているのか?を俯瞰してみれますからね。

《自分のケツは自分で拭く》


ミルグラム実験から、人間は権威に屈し責任を取りたがらない傾向があるとわかりました。


でも、アナタの人生はアナタのものですよね?


他人が責任をとってくれる人生が、自分の人生と言えるでしょうか?


違いますよね。


僕は実験を受けていないからなんとも言えないですし、人間はこんなものなんだろうと受け入れますけど、


自分の人生なのに、責任は誰か?が判断基準で行動を取るなんてありえないと思っています。


どうなったとしても、自分のケツは自分で拭く。


それは当たり前に持つべき覚悟です。


そう覚悟を決めて行動したものさえ、


もしかしたら何かの権威によって促された行動なのかもしれませんが。。。


自分の人生を歩むのでしたら、責任は全部自分でとりましょう。


「人間を知る」ため、自分を省みるため、ぜひ読んでみてください!

スタンレー・ミルグラム著・「服従の心理」