「人生パンク道場」 町田康 


アナタは普段、誰に相談していますか?
その人は、相談相手として適切な人でしょうか?

《相談相手を間違えるな。》


仕事で悩んだり、人生に迷ったときにアナタは誰に相談しますか?


おそらく大半は親・教師・上司・友人だと思います。


ですがちょっと待って下さい。


その人は相談相手として適切な人なのでしょうか?


そもそも、相談相手に適切がどうかを考えたことがありますか?


・自分のことをよく知っている
・何でも話しやすい


これを基準に相談相手を決めていたら、その相談はあまり意味がないでしょう。


大して解決していないのに、「相談した」という行為に満足して終わってしまうでしょう。


人生が変わらない人は、たいてい相談相手を間違っているのです。


では、どんな人が相談相手に適切なのでしょうか?


一言でいえば、自分より遥かにレベルの高い人です。


もう少し具体的に言うと、


・自分より10歳以上は年上
・自分より稼ぐ桁が1つ以上違う(多いほうがいい)


この二つは相談相手を選ぶときに抑えるべきポイントです。


なぜこのポイントかというと、


自分とは見ている世界が明らかに違うからです。



そう、相談相手が自分のことをよく知っているとか話しやすいとかは全く関係ないのです。


アドバイスは本人の視点とは違う視点からの意見でないといけません。


なので、そのアドバイスがアナタにはあわないようなものだってあります。


ですが、それこそ受け入れるべき・試してみるべきアドバイスなのです。


アナタのことを知っていたり、話しやすかったらどうしてもアナタに合ったアドバイスになりがちで、そのため意味のない相談になってしまうのです。


ただ、おそらく自分より遥かにレベルの高い人間は身近にいない可能性が高いです。


なので、人生相談の質問と回答を本にしたこれを読めばきっとアナタの心は軽くなるでしょう。


「人生パンク道場」 町田康



《異色の経歴を持つ小説家》


この本の著者である町田康さんは、パンクバンドで活躍し、そこから小説家としても活躍の場を広げた異色の経歴をもつ人です。


音楽活動は、執筆を重点に置くため休止していましたが、最近は新たなバンドを組み今年2019年にはアルバムを出しています。


執筆活動は、ミュージシャンとしての感性と独特でユーモアのある文体を評価され、数々の賞を受賞しています。


多くの人にとって上述した相談相手の基準に満たしますし、


経歴をみれば自分とは見ている世界が明らかに違うとわかりますよね。


そんな著者が人生相談に答えたこの本は、


かなりユーモアで面白いだけじゃなく、大事なことに気付かさせてくれます。

《忘れるから生きていける。》


笑える相談と回答がほとんどですが、泣けてくる相談と回答もありました。


それは、忘れることについて。

もし過去にあったすべてのことを忘れることができず、その生々とした感情をずっと忘れないでいたらどうなるか。
私たちは狂ってしまうだろう。少なくとも普通の日常生活を送ることはできない。忘れることによってやがて悲しみは癒える。


と書いてあったのですが、本当にそう思います。


僕はまだ25年しか生きていないけど、人生に、自分に、心底絶望したことがあります。


良いことばかりじゃないのは確かですが、今生きてこれているのは忘れることができているからだと思います。


ホント、あの絶望をずっと忘れずに生活なんてしていたら狂ってしまいます。。。


ただ、思い出せるってことは完全に忘れてはいないってことですけどね。



《忘れないために。》


でも、忘れたくないこともたくさんありますよね。


例えば、失敗。


失敗を忘れたらまた同じ失敗をして痛い目にあってしまいます。


同じ失敗をするたび「なんでまたやってしまったんだ。」と自己嫌悪に陥り自分の愚かさに絶望するものです。


それに楽しかったことも忘れたくないですよね。


楽しかったことを思い出すだけで笑顔になれるものです。


では、忘れたくないことを忘れないようにするにはどうしたらいいのでしょうか?


著者は、

どうしても忘れてしまうなら、なるべく忘れないように記憶して、なるべく同じ過ちを繰り返さないようにしたらいい。


と言います。


そう、僕たちができることは、忘れないようにがんばることなのです。

どうしても忘れることが嫌なら、なるべく忘れないように気をつければいいのです。


《忘れるものだから。》


ですがやっぱり、人間は忘れる生き物です。


残念ながら、そういう特徴をもっています。


ただ、忘れることは全部が全部、悪いことじゃないと思っています。


忘れることができるとは、気持ちの切り替えが上手いということでもあります。


つまり、失敗しても次の挑戦に対して、スピード感をもって取り組むことができるのです。


それに、嫌な思い出やトラウマは忘れることができれば苦しまないで済みますよね。


人間は忘れる生き物だから、おなじ過ちを繰り返してしまうけど、

人間は忘れる生き物だから、切り替えることができるのです。

忘れたことに絶望することはあるけど、忘れることで癒える傷もあるのです。



この投稿では「忘れる」ことを取り上げましたが、他にもユーモアに溢れた相談はたくさん載っています。


アナタの視点からは違う視点の意見をたくさん読んでみてください!


「人生パンク道場」 町田康