「イノベーションの作法」 濱口秀司



《作法を学ぶ。》


「価値が高い」には条件があります。


それは、珍しいこと・面白いことです。


なぜなら、それだけで他と差別化できるからです。


たとえば、人気のYoutuberってみんな独特で珍しく面白いですよね?


あの人たちは、それぞれ「価値が高い」コンテンツを生み出し他と差別化しているから人気になれるのです。


ここで注意すべきことが、最新の情報を持っているだけでは差別化できる価値は生み出せないということです。


必要なことは、その情報を独自の視点で切り取り、新たなアイディアを生みつづける発想力と実現力です。



ただ、これだけモノと情報があふれかえった現代はもう限界のように感じませんか?


珍しいものや新しいものなんて、もう出てこないのではないか?


スゴい人はそれを生み出せたとしても、僕みたいな凡人には生み出せないのではないか?



ですが、イノベーションにも作法があることはご存知でしょうか?

そう、イノベーションはキチンとした作法を身につければ誰にでも起こせるのです。


その作法を身につけるにはこちらの本。


「イノベーションの作法」 濱口秀司



《イノベーションを生むSHIFT》


世界で初めてUSBメモリを作る等、


数多くのイノベーションを起こしコンセプトを創ってきた著者が書いたこの本は全ビジネスマン・全アイディアマン必読です。


著者は、イノベーションを生むには二種類あると言います。


一つがJUMP。


これは、今の事業から飛びだし、全く違うエリアで新しい事業を始めることです。


JUMPはアイディア・中心人物・資金があればアイディアを中心に組み立てることができます。



もう一つが、SHIFT。


これはJUMPとは違い、


今の事業や所属メンバーを中心にして、商品やサービスの「在り方」を規定し直し、市場の「新しい認知」を得ることで事業価値を高める手法です。


この本は、そのSHIFTを通してイノベーションを起こすやり方が書かれています。

《バイアスをぶっ壊す。》


では、どのようにしてSHIFTを起こしイノベーションに繋げるのでしょうか?


それはバイアスをぶっ壊すことです。


ただ、何でもかんでも壊すことではなく「作法」があります。


それが、


・バイアスを構造化(可視化)する。

・バイアスのパターンを壊す。

・強制発想する。


この3つです。



例えば、桃太郎のバイアスをぶっ壊し「新桃太郎」を創るとします。


簡単に言うと、桃太郎は仲間を連れて鬼退治をするキャラクターですよね。


そこでバイアスを構造化すると、「チームプレー」を重視し「勧善懲悪」を目指すキャラクターとなります。


バイアスが構造化されたら、その逆を行けばいいのです。


つまり、「単独で活動」「自分の善悪だけを優先させるダークヒーロー」「新桃太郎」となります。



この例えからわかるように、構造のないものは破壊できません。


そのため、一つのアイディアに囚われるのではなく、


背景にあるバイアスを探し視覚化することが一番重要なことなのです。


まとめると、社会にインパクトを与えるSHIFTを起こすには、


人々が持つ既成概念(バイアス)を自分なりに視覚化して、それを破壊する方向を強制的に生み出すことです。


なので、アイディアを生み出したり組み合わせを考えるのと同じくらい、

バイアスの構造を見定めて、モデルを創ることに時間を費やす作業が重要になります。



《考え抜く。》


では、そもそもどうしたらバイアスを上手く構造化できるのでしょうか?


それは、考えて、考えて、考え抜くことです。



多くの人は、


性別や年齢・業種業界・得手不得手が異なるメンバーが知恵を出し合いコラボレーションすることで、


一人では絶対に思いつけないアイディアや構造を生み出せると思っています。


ただ、700以上のプロジェクトを経験してきた著者は、


それは幻想だとハッキリ言います。


ただ色んな人が集まって話し合っても、コラボレーションとは何かを定義しなかったら真価は発揮されないどころか、


貴重な時間を消費してしまうので害悪ですらあると。


1+1=2を超える成果を生み出すのは、


コミュニケーションの行われる「場」ではなく、あくまで「個人の頭の中」です。


つまり、一人ひとりが脳みそをフル回転させて考え抜ぬくことなくして1+1=2を超える成果は生み出せないのです。


コラボレーションの真価を発揮させるのに重要なことは


コミュニケーションの「量」ではなく「質」で、


その質を高めるためにも、一人ひとりが考え抜く時間を多く費やすことが絶対条件なのです。

《考え抜くだけで。》


ただ、この考える・考え抜く作業をあまりにも多くの人ができていないように感じます。


というか、考え抜く作業なんて、やったことない人が大半ではないでしょうか?


考える・考え抜く作業ができない理由は、


考える・考え抜かなくても、生きていける時代にいるからです。


これだけ豊かな生活ができれば、そうなるのもしょうがないかもしれません。


でも、そんな時代に生き、考える・考え抜く作業をしない人が多いからこそ、


普段から考える・考え抜くことができれば、簡単に大衆とは違う世界に行けるのです。


イノベーションの起こし方、考え抜く大切さ、さまざまなヒントがあります。

ぜひ、読んで作法を身につけてください!


「イノベーションの作法」 濱口秀司